健康相談が主な仕事になる保健師は、保健師の資格と看護師の資格が必要ですが、法律上の制約に限らずその人の適性も重視されます。保健師は、知識や技能に秀でていること以上に、他者への気遣いができることが何よりも重要です。保健師の仕事は、人々の健康を支え、心のケアも行うことがあるので、他者への思いやりを持ちや気配りができる人でなければ、良い仕事はできないからです。
また、仕事の性質上、健康指導やカウンセリングを行う機会も多くなるので、会話を滞りなく進められることも大切です。相手の言葉を真摯な姿勢で聞き、適切なアドバイスができなければ、相談者を不安な気持ちになせてしまいます。ですから、その場の雰囲気に合わせて、会話を進めなければなりません。
それから、健康の維持や不安解消への取り組みは結果が出るまで長い時間を要することも多いので、保健師の仕事は根気強い姿勢が求められます。一つの物事に対して腰を据えて取り組むことができる人ほど、保健師に向いていると言えるでしょう。そして、他者の体の状態を冷静かつ正確に見極め、将来起こるであろう健康上の問題を未然に把握して、予防策に取り組む実行力も優秀な保健師の条件です。
看護師と違って、保健師は医療の最前線に立つことはありませんが、その仕事内容は、現在注目されている予防医学の面で大きな役割をになっています。ですから、そのことを踏まえた上で、状況に応じた対応ができる人材が必要とされているのです。