現場で異なる保健師の仕事とスキル

保健師の主な役割は、予防医療だといわれています。そのため、行政の施設や学校、企業や病院などで人々の健康の相談にのったり、健康推進のためのサポートをしたりしなければならないので、コミュニケーションスキルが欠かせません。

ただし、保健師と一口にいっても、働く場所によって業務内容は若干異なります。ですから、保健師を目指す方は、保健師の活躍の場と、そこでの仕事内容をより詳しく知っておくべきでしょう。

たとえば、保健所や保健センターなど行政の施設で働く行政保健師は、市民全体が相談対象になるので、老若男女を問わず、様々な人と関わらなければなりません。また、乳幼児健診や予防接種など、小さな子どもやその親御さんと接する機会も多くなるので、行政保健師は相手の気持ちを汲み取り、相談相手と信頼関係を上手く築くことが得意な人が向いています。

次に、学校が活躍の場になる学校保健師は、生徒や職員の病気や怪我の応急手当、心の健康管理などが主な仕事になります。したがって、子どもの心理が理解できるような人が向いています。また、学校保健師は、ときには学校のプリントや掲示物を作成をしたり、健康診断のデータ処理をしたりすることもあるので、PCスキルもあったほうが良いでしょう。

それから、企業の従業員の健康管理を行う産業保健師は、従業員の健康診断のデータを管理したり、生活改善の指導やストレスなどの緩和をサポートする業務を担います。ですから、従業員のストレスに気を配れる人や、デスクワークを苦にしない人が向いています。学校保健師の仕事と似ている部分はありますが、対象者は社会人なので、適度な距離感を持ってスマートに対応できるスキルが求められます。